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こどものこだわりが強い理由と対処法について
「うちの子はこだわりが強すぎて困っています」という保護者様のお声は、毎日毎日、全国のてらぴぁぽけっとで、多数お寄せいただきます。
もちろん、こだわりへの対処、対応、介入、剥がして反らしていく過程など、お子様との様々な葛藤格闘とその過程におけるお母さまのお気持ちはいかばかりかと、まずは拝聴をさせて頂く次第です。
しかし、そもそもこだわり、というのは、こども成長の過程において自然な現象であり、その前(あるいはその先)にある理由をできる限り解読しつつ柔軟に対応することが、お子様の健やかな発達を支えるための大切なポイントです。
無理にこだわりを排除しても反発により逆にこだわりは硬化していくことは重々痛感されていらっしゃるはず。柔軟性を少しずつ育てるようなアプローチが必要と、頭ではわかっていますが、どうしたらお子様は安心して新しい状況や経験に適応していく力を身につけていくのでしょうか?
こだわりとは
子どものこだわりをまずは肯定(受容・追認)しましょう。 そこは、お子様の現にある世界のすべてです。そこに割って入るのは、お子様のファンタジーの中に入ってくる悪魔と同じ。お子様は当然に逃げ、抵抗し、防御はますます硬化します。
重要なのは、親や保護者がそのこだわりの背景を正しく、適切なサポートを提供することです、、、ってどこでもだれからもいつでも言われ続けた言葉、、、でもやはり最終的にはそこにたどり着きます。とはいえ今は素直にその言葉が聞こえてきませんよね。ご一緒に少しずつ整理しましょう。
子どものこだわり あれこれ
1.特定のおもちゃにこだわります
例: お気に入りのぬいぐるみやだけブロックでしか遊ばない。通常の玩具や道具の規則を無視して独自のルールで組み立てていきます、それも果てしなく遠くまで。別のおもちゃを提案して、一瞬興味を示しても、すぐ元に戻って常に同じもので遊び続けます。
2.服や靴のこだわり
例: 特定のシャツやズボンしか着ない。いつも同じ靴を履いている。特定の素材やデザインから離れず、違うものを着させられると脱兎のごとく逃走します。服の肌触りが少し違うだけで異物と判断されます。
3.食べ物のこだわり
例: 好きな(もはや好きであるかどうかもわからないほど特定の)食べ物しか食べない。その食べ物の特定され方は、食べ物の形や色、食感、柔らかさ、匂いなど、他社が理解することは困難なほどに強いこだわりを持ち、同じおやつでも形が違うだけで食べなくなります。
4.ルーティンや順番に対するこだわり
例: 食べる順番や、寝る前の支度の手順が決まっており、少しでもその順番が変わると強く相違を主張します。また、家を出る前の準備をいつも同じ手順で行います。一番でないと気が済まないのは定型発達のお子さんにもありますが、特に劇場を示すことが見受けられます。
5.場所に対するこだわり
例: 食卓や車の座る場所が決まっている、いつも同じ場所でないと安心できない。というか、怖くて仕方がない。また、公園などで遊ぶ場所も特定の場所でなければならず、他のお子様がいると逃げるか奪取するかという選択になります。
6.特定の順序やルール
例: 積み木や遊びブロックで、いつも同じ順序で組み立てる。遊びの中で独自のこだわりがあり、ルールが崩れれば感情が乱れ、それは他者がルールから逃れようとすると当然に激怒することになります。
7.感覚的なこだわり
例: 服のタグが気になったり、特定の食感が苦手だったりすることがあります。視覚、音、光、匂いなどに対する感覚が鋭敏で、特定の感覚の刺激に対してこだわりが発露されます。
8.特定のフレーズや言葉の繰り返し
例:同じ言葉やフレーズを何度も繰り返し声に出して安心感を得たり、自分が落ち着くために同じ行動を繰り返し行う習慣が見られます。ずっとくるくる回ったり、手をひらひらさせるなど、お子さまによって様々です。
お子さまは、このどれかに当てはまったはずです。2つ3つ該当される方も多いでしょう。これらのこだわりは成長の過渡期とも読み取れますし、発達障害の一つにも数えられますし、それらと一生付き合っていく結果になることもあります。確かなことは、そのどれに該当するのか、今はわからないということです。
こだわりが強い理由
どうしてこだわってしまうのか、どうしてこだわりから抜け出せないのか?
よくある例(仮説)は以下が挙げられます。
1.安心感を求めている
同じことをし続けたいというのは、逆から見れば変化が怖い、変化ではなく別のものの襲来と映っていると考える向きもあります。お子様個人個人での予測可能な環境や行動は安心感をもたらします。悪さをしているのではありません、反復の中で気持ちを落ち着けたり、安心に向けて邁進していると考えるのが自然です。
2.感覚過敏や感覚統合の問題
特に自閉症スペクトラム(ASD)や発達障害を持つ子どもには、感覚過敏や感覚統合の問題があることが多いです。特定の習慣やこだわりを持つことがあります。ただ上記1とも関連しますが、ぬいぐるみをずっと離さないなど、感覚を求めることによって自分を保っているとも考えられ、むやみに取り上げることは恐怖であり、その反動で他者に対して危害を加えようとすることも至極当然に存在します。
3.自己表現の一部
言語や他の表現方法が、表願したいことに対して追いつかない状態のため、こだわりと見える自己表現を行っていることがあります。特定の遊び方や活動に集中することで、自分の好きなことや安心できることを表現しています。或いはそこにいることで、自分の身を守っているとも考えられます。
こだわりに対する対処法
こだわりは成長過程の中であれば、決して「悪いもの」ではありません。良いこだわりは個性でもありますが、ただ、保護者様にとって一緒に外出もできない、睡眠や安全な生活を脅かすものであれば、それは対処していかなければなりません。どのように対応していくべきなのでしょうか?また保護者様だけでなく、お子様自身はどうやってこのこだわりと付き合っていくべきなのでしょうか?
1.共感と理解を示す
まず、子どものこだわりに対して共感を示すことが大切です。 なぜそのこだわりがあるのかを考え、無理に取り除こうとするのではなく、まずは共感し、安心感を考えることで、子どもが不安を感じる時間を少しでも減らしていくことが現実的な解決策の第一歩になります。
2.柔軟な対応
シナリオ的な要素のこだわりを持つ場面では、少しずつ柔軟な対応を実現するために、そのシナリオに乗っかりながら、徐々に小さな変化を提案することが効果的です。変化など、徐々に新しい選択肢を受け入れられるようにします。
3.ルーティンを活用する
ルーティンや規則性は子どもにとって安心感を実現するため、こだわりが強い場合にはルーティンを相談して、一定の時間だけこだわりを黙認し、その後に新しい活動を取り入れます。お子様の第2第3の強化子を把握しておくことで、こだわりに疲れたときにすぐに切り替えられる確率が高まります。支援が必要な学校や保育園ではこれを活用して授業を進めます。
4.専門家のサポートを求める
こだわりが日常生活に大きな影響を与える場合、専門的な支援が必要になる場合があります。発達障害や感覚過敏の問題が背景にある場合、心理士やセラピスト、幼稚園の先生らのアドバイスを受けながら、適切な支援方法を探ることが大切です。てらぴあぽけっともその仲間です。
子どものこだわりが強い場合についてのまとめ
こだわりは成長過程でもあり、障害と呼ばれるものの萌芽でもあります。
どっちなのかは、そのこだわりの深さ、期間の長さ、発症している時間の長さ、社会性からの逸脱度の大きさなどによりますが、年齢と共に個性というフェーズから社会性からの逸脱=問題行動と捉える面積が広くなっていきます。
その量の大小はあれども多くのお子様に見られる現象であり、保護者や支援者が適切な対処を行うことが求められます。大人が正しい理解と支援を提供することで、子どもたちは一人ひとりの特性に合わせたサポートを受けながら、自己表現力や社会性を育み、将来的にはさまざまな状況にも柔軟に対応できる力を身に付けていくことを希求します。
理解と共感を示しながら対応しましょう。お子様ご本人も、直接口には出しませんが、「なんだかよくわからないけど、不思議なこだわりという脱げない衣類に包まれてしまったというSOS」を発信しておられます。
現実を直視しながら、纏っているこだわりという衣類をそっと?がしたり、着心地を上げたりする工夫をてらぴあぽけっとと共に行っていければと思います。
てらぴぁぽけっとでは、お子様の行動観察から入り、福祉施設としてまずしっかりお子さまを受容して、こだわりや特性を把握しながら、その行為を未然に抑えたり、行動が起きそうになったら興味を違うものに向けたり、行動が起きても収まったときにすぐさまもっと面白い遊びを提示してこだわりの時間を相対的に少なくしたりなど、行動分析の力を借りてお子様が生きやすくなる道を見つけるお手伝いを日々繰り返しております。






