成長事例

セラピー日記

2023/05/22

模倣と注目

(年齢 当時4歳)発語の少なさや他者との関わりの少なさがありました。

当時のお子さまは、発語が少なく母音(あ、い、う、え、お)しか話さない男の子でした。その為、まだ口頭でのコミュニケーションが難しく、遊びもひとりで行うことが多かったです。例えば、物が落ちるのをずっと見ていたり、音の鳴るおもちゃをずっと鳴らし続けたりというものが主でした。
しかし、まねをすることを新しい経験の入り口にすることで、少しずつ成長が見られました。

まねをすることを新しい経験の入り口に

まずはセラピストと一緒に手遊び歌(「いわしのひらき」や「大きくなったら何になろう?」など)を歌いなが ら手拍子をすることから始めました。このプログラムでは、模倣を通じて一つずつ動作を学ぶ機会を提供し、それらを手遊び歌に合わせて自発的に行える範囲を広げていきました。同じ曲やリズムだけでは飽きてしまうので、似たような動作をする別の手遊び歌も取り入れてバリエーションを増やしていきました。

また、他者への興味や関心の糸口を見つけ、一緒に楽しむ機会も設けました。お集まりの場で歌に合わせて自分からリズムに合わせて手拍子をしたり、体を動かすことができるようになっていきました。

家庭でも同様の活動を取り入れることで、お子さんが興味を持つ歌の種類が増えてきたとのお話をいただくようになりました。

他者への興味、関心の糸口を見つけ、共に楽しむ

模倣の学習の目的には、他者や他者の身体の一部に注目することも含まれています。そのため、コミュニケーションを取る際には目を合わせること、つまりアイコンタクトも強化することができるようになりました。

注目をする事ができる様になる事は他者の表情、口元を見ることにもつながりますので、今後発語の広がりや他者の気持ちの理解にもつながっていく事が期待されます。

現在は先生だけでなく、同年代のお友達にも関心を示すようになりました。自発的な関わりはまだ少なめですが、先生がそばで手伝い、適切な距離を保ちながら遊びを通じた交流をする機会を作ることによって、関わりを増やしていく取り組みも始めています。



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