成長事例

セラピー日記

2022/08/08

園で自信をもってみんなといっしょに工作ができることを目指して

好きなハサミを使った、とある年中のお子様の“出来た”をご紹介します。
ご家族様から“園で工作に参加をしたがらないので参加が出来るようになって欲しい。”とご相談を受け、ハサミを使ったプログラムをはじめました。

プログラムをはじめる前からハサミの持ち方やハサミの刃を開いたり閉じたりすることはとても上手に出来ていたので、

①まっすぐに切り、少しずつ切る距離を伸ばす
②線に沿ってまっすぐ切る
③紙の方向を変えて角を切る
④紙を回しながらカーブを切る

①から④までの段階を作って、課題を進めていきました。
ハサミを持つ手と反対側の手を動かす際には、最初は先生が一緒に紙を持ちながら、そして徐々にお手伝いを減らしていきます。また、ハサミを使うための「行動」を1つ1つ見て、必要なポイントに手助けを行うようにしました。

例えば…

「腕の曲げ具合」

腕の曲げ方がどのくらいが切りやすいかな…様子をみながら手助けすると、指先の力の入りやすさが変わりました。
目と手のコンビネーションも大切です。目から近すぎず遠すぎず。両手が体の正面にくるように。 少し手助けし、しっかり手元を見ながら切ることを学びました。
先生のお手伝いは、始めはしっかりと。お子様が上達するにつれて少しずつ減らしていきます。

「ハサミを持つ右手の手首」

まっすぐもカーブも、無理のない様に切るには、チョキチョキ動かすだけでなく、手首の動きも必要です。 最初は先生がしっかりと支えて、その後、徐々にお手伝いを減らしていきました。

「紙を支える左手」

持つ位置も、紙をまわすタイミングも。最初は先生が一緒に持ちながら行いました。上達に合わせて、手助けを前半だけにしたり、後に「ぐるん」と声をかけるだけにしたり、先生のお手伝いを減らしていきました。

今では、一人で渦巻きのように紙をグルグル細長く切り、“蛇”を作れるようになり「ハサミしたい」とお子様から声をかけてくれることが増えました。「園でも工作に参加することが増えました」と、ご家族様からご報告を頂いております。
その後、教室でのお友達とのプログラムで行った制作でも、一人で、切り取り線にそって正確に切る、のりで貼る、枠内を塗ることも出来、ご家族様にも「できた」と笑顔で見せていました。
教室での“出来た”が園での“出来た”に繋がり、職員一同大変喜んでいます。

道具の使い方など、日常生活の行動を教えていくことは、体の使い方を学ぶ機会にもなります。

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