成長事例

セラピー日記

2022/01/24

好きなおもちゃは、ありません。楽しみを増やしてほしい!

現在5歳 自閉症スペクトラム 女の子

このお子さんが、てらぴぁぽけっとに通い始めたのは、2歳0か月の時です。
「好きなおもちゃはありません、あらゆる穴や突起物に触れます。発語・食事 いろいろ悩みは、ありますが、この子の楽しみを広げて欲しい」これが、お母さんの願いでした。

穴や突起物から絵本へ

現在、このお子さんの好きな過ごし方は、絵本を見ることです。「もこもこもこ」「いないいないばぁ」「いただきます」などなど、好きな絵本がたくさんあります。楽しみが増えたことで、穴や突起物を延々と触ることは、減りました。そして、絵本は、持ち運ぶことが出来ますので、絵本があることで、公共の場で座って静かに過ごすことが出来るようになっています。

好きなことを増やすまでの道のり ~おもちゃで遊ぶことは課題~

このお子さんにとって、おもちゃで遊ぶことは、楽しみではなく課題でした。まずは、「くるくるチャイム」・・・・はじめは、手にボールを持たせて、落とすことも一緒に行いました。4つボールを落とすという課題を終えると、大好きな突起を触ることが出来る というサイクル(随伴性)を形成しました。つまり、好きな遊び(穴に指を入れる・突起を触る)をご褒美として活用します。そして、繰り返すうちに、「くるくるチャイム」は課題ではなく、好きなおもちゃに変わっていきました!

繰り返す

その次には、ペグさし、型はめパズル、棒通しなど、課題として取り入れ、ご褒美を「突起物を触る」又は「くるくるチャイム」とし、おもちゃで遊ぶ力を増やしていきました。その他に、ABAの課題として、模倣(動作の真似をする)、マッチング(同じものを合わせる)、受容(物と名前を一致させる)を行い、物や絵を見る力や座り続ける力を伸ばしていました。

大きなおもちゃから手軽な絵本へ

おもちゃは、考えたり、指先を使ったりする学びのツール(道具)です。しかし持ち運ぶことを考え、絵本で過ごせるようになることを目標としました。はじめは、1ページずつめくることから課題として取り入れ、絵本の使い方を練習しました。その後は、飛び出す絵本、感触を楽しむ絵本、動かせる絵本を取り入れることで、徐々に自分から触れたり、動かしたりするようになりました。

絵を見るように

お気に入りの本ができ、その絵本は課題が終わった後のご褒美となりなりました。最近は、本棚の前に座っていることをよく見かけます。絵本を見る楽しみだけでなく、絵本を自分で選ぶ楽しみが増えました。絵本は世の中に無限にあり、これからも出版されます。よって、これからも好きな絵本を探していくことでしょう。

あそびを意図的に増やす

子どもだから、遊ぶことが、そしておもちゃが好きだとは、限りません。「触れる」という感触、「光る」という視覚への刺激、「揺れる」という身体への刺激などを好み、おもちゃや絵本を手に取らないお子さんもいます。私たちは、「遊び方や使い方を知らないだけで、好きになるかもしれない」と想い、手に取って、遊んでみることを課題として取り入れていきます。

お子さんの「お楽しみ」を探して、増やしてみませんか。余暇活動が増えると生活が楽しくなると思いますよ!まさにQuolity Of Life 生活の質の向上です!

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